東京・お台場の日本科学未来館には、落合陽一氏が総合監修する常設展示「計算機と自然、計算機の自然」があります。2019 年 11 月に公開された展示で、2026 年 4 月 1 日に中心の 2 作品を作り直し、生成 AI を使った新作 2 つを加えました。大阪・関西万博の「null²」で使った AI の表現を応用した作品もあり、未来館はこのリニューアルを「大阪・関西万博シリーズ第二弾」と呼んでいます。
先に大事な日程を書きます。未来館は 2026 年 10 月 1 日から 2027 年 4 月 22 日まで、施設整備工事で休館します。2026 年に見るなら 9 月 30 日までで、それを逃すと GREEN×EXPO 2027(横浜花博)の会期が始まってからになります。開館時間・料金・行き方は 2026 年 9 月 13 日に未来館の公式サイトと発表で確かめました。
早見表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 場所 | 日本科学未来館 3 階 常設展示ゾーン(東京都江東区青海 2-3-6) |
| 開館時間 | 10 時〜17 時(入館券の購入・受付は 16 時 30 分まで) |
| 休館日 | 火曜日(祝日、夏休み期間などは開館の場合あり) |
| 長期休館 | 2026 年 10 月 1 日〜2027 年 4 月 22 日(施設整備工事) |
| 常設展の入館料 | 大人(19 歳以上)630 円、18 歳以下(小学生以上)210 円。未就学児は無料、18 歳以下は土曜日無料 |
| 最寄り駅 | ゆりかもめ テレコムセンター駅 徒歩約 4 分、東京国際クルーズターミナル駅 徒歩約 5 分。りんかい線 東京テレポート駅 徒歩約 15 分 |
展示の中身
展示のテーマは、コンピュータと AI が高度に発達した未来で、私たちの自然観や世界観がどう変わるか、です。自然と人工物の境目が溶け、デジタルとアナログが互いを高め合う状態を「新しい自然」と捉える、という考え方が土台にあります。2026 年 4 月のリニューアルで見られる作品は次の 4 つです。
計算機と自然(リニューアル)
印刷で再現した蝶が樹木や草花に潜み、自然のものと計算機が作る人工物が境目なく混ざった空間です。今回、生成 AI を使って、割れた液晶の亀裂が液体のようにうねり続ける映像作品が加わりました。いけばなは華道家の辻雄貴氏、映像とインスタレーションは落合氏、蝶を再現する構造色印刷は富士フイルムイメージングシステムズが担当しています。
計算機の自然(リニューアル)
会場のカメラが捉えた映像から、AI がリアルタイムに新しい映像を生成し続ける作品です。ノイズから鮮明な画像を復元する過程を学習する「拡散モデル」という技術を使っています。発表によると、この作品は null² で使った新しい AI 技術の表現を応用したものです。横浜の null²ⁿ が開く前に、null² の技術の一端を東京で見られる場所と言えます。
話し相手が人間か機械か、どちらでもいいじゃないか(新設)
受話器に話しかけると、音声認識 AI が言葉を文字にし、文章生成 AI が返事を作り、音声生成 AI がその返事を落合氏の声で読み上げます。大量の文章から言葉の構造を学ぶ「大規模言語モデル」が軸です。かつて黒電話の向こうにいたのは人間だけでしたが、人間か機械かの違いが曖昧になりつつある、という問いを立てています。

これは計算機の中と外、どっち?(新設)
特殊なメガネなしで立体映像を見る「裸眼 3D 立体視」を使った作品です。カメラが最も近くにいる人の両目の位置を追い、その視線に合わせた映像をモニターに出し続けて立体感を作ります。実体のある彫刻と立体のデータがつながった作品で、原案と制作は筑波大学の横山拓巳氏と筑波大学デジタルネイチャー開発研究センターです。
リニューアルに伴い、「昔も今も色は一緒?」と「ここは計算機の中と外、どっち?」の 2 つは公開を終えています。
横浜の null²ⁿ・null⁴ との関係
未来館の展示と、横浜ランドマークプラザに 2026 年 10 月 14 日に開く常設シアター「null²ⁿ(ヌルヌルネクサス)」、花博会場に置く「null⁴(テトラヌル)」は、どれも落合氏の作品ですが別のプロジェクトです。未来館の発表は横浜の 2 つに触れておらず、サステナブルパビリオン2025 の発表も未来館の展示を落合氏の経歴として挙げているだけです。
共通しているのは「計算機自然(デジタルネイチャー)」という考え方です。未来館は入館料 630 円で常設展の中に展示があり、null²ⁿ は日時指定で大人 3,900 円からの単独のシアターです。null² の考え方を安く手早く知りたいなら未来館、体験そのものが目当てなら null²ⁿ、という分け方になると思います。null² から null²ⁿ・null⁴ への経緯は起点の記事に、null²ⁿ の行き方と料金は訪問ガイドにまとめています。
行き方
最寄りは新交通ゆりかもめのテレコムセンター駅で、徒歩約 4 分です。東京国際クルーズターミナル駅からは徒歩約 5 分です。りんかい線の東京テレポート駅からは徒歩約 15 分あります。
横浜方面からは、公式サイトが大崎駅か大井町駅での乗り換えを案内しています。りんかい線は JR 埼京線と直通していて、大井町駅から東京テレポート駅までは約 8 分です。ゆりかもめを使うなら、新橋駅から東京国際クルーズターミナル駅まで約 16 分、豊洲駅からテレコムセンター駅まで約 12 分です。土日祝は錦糸町駅や森下駅から都営バスの急行便が未来館まで出ています。
未来館の地下駐車場は 167 台で 1 時間 440 円、当日最大 1,650 円です。
編集部の考え
null²ⁿ の開業は 10 月 14 日で、未来館の休館は 10 月 1 日からです。この 2 つを続けて見ようとすると、2026 年の秋には両方が開いている日がありません。未来館を先に 9 月中に見て、横浜の開業を待つ順になります。逆に、花博の会期中に東京へ足を伸ばす人は、休館明けの未来館と、みなとみらいの null²ⁿ、会場の null⁴ の 3 か所を一つの旅にできます。
未来館の展示は常設展の入館料に含まれていて、大人 630 円です。null² の考え方を知る入口としては、横浜のシアターより先にここを見ておくと、null²ⁿ の 60 分の体験がつかみやすくなると思います。
休館明けの開館日と展示の変更は、発表があれば本文と基準日を直します。順路の次はnull²ⁿ の訪問ガイドか、横浜と JR 横浜線沿いの科学館の記事です。
