横浜駅から乗り換えなしで伊豆へ行ける特急は、「踊り子」と「サフィール踊り子」の 2 本です。同じ線路を走って同じ伊豆急下田に着きますが、座席と料金の考え方がまったく違います。踊り子は普通車のある「ふつうの特急」、サフィール踊り子は全車両がグリーン席の「乗ること自体が目的になる列車」です。JR東日本の公式ページで 2026年9月時点に確かめた範囲で、違いと選び方を書きます。
横浜花博と伊豆を組み合わせるなら、横浜に泊まって翌朝に横浜駅から乗るのが分かりやすい流れです。横浜駅から乗れる特急の全体は特急・新幹線の一覧、宿の選び方は横浜花博の宿の記事にあります。
1. ひと目で分かる違い
| 踊り子 | サフィール踊り子 | |
|---|---|---|
| 行き先 | 伊豆急下田・修善寺(熱海で分かれる編成あり) | 伊豆急下田 |
| 出発駅 | 東京、または池袋・新宿 | 東京、土日祝の 5 号は新宿 |
| 横浜より東京側の停車駅 | 東京・品川・川崎、または池袋・新宿・渋谷・武蔵小杉 | 東京・品川、または新宿・渋谷・武蔵小杉 |
| 横浜より先の停車駅 | 大船・小田原・湯河原・熱海から伊東線・伊豆急行線へ | 熱海・伊東・伊豆高原・伊豆熱川・伊豆稲取・河津 |
| 座席 | 普通車・グリーン車(全席指定) | プレミアムグリーン・グリーン個室・グリーン車(全車グリーン) |
| 本数 | 東京発 8 時台〜13 時台に運転(臨時を含む) | 毎日 1 往復+臨時 |
| 予約 | えきねっと、みどりの窓口、指定席券売機 | えきねっと(個室を除く)、みどりの窓口、指定席券売機 |
| 食事 | 未確認(公式ページに記載なし) | 4 号車のカフェテリア |
2. 踊り子:全席指定の、ふつうの特急
踊り子の停車駅は、東京・品川・川崎・横浜・大船・小田原・湯河原・熱海と、そこから先の伊東・伊豆高原・伊豆熱川・伊豆稲取・河津・伊豆急下田です。熱海で分かれて三島・三島田町・大場・伊豆長岡・大仁・修善寺へ向かう編成もあります。池袋・新宿・渋谷・武蔵小杉から出る列車は横浜で東京発と同じ経路に合流します。東京発は 8 時台から 13 時台まであり、東京〜熱海は 1 時間 20 分です。
車両は中央線の「あずさ」「かいじ」から転用した E257系で、外装は伊豆の空と海をイメージした「ペニンシュラブルー」です。全席指定で、普通車とグリーン車があり、グリーン車は 1 両まるごとです。窓側の席にコンセントがあり、1・9 号車に荷物置き場、3 号車に自由に使えるフリースペースがあります。
特急券は「トク割」で 35%引き
えきねっとの「在来線チケットレス特急券(トク割)」を使うと、踊り子の普通車指定席の特急料金が 35%引きになります。列車・席数・区間が限られ、乗車券は別に必要です(Suica などの交通系ICカードで改札を通れます)。JR東日本が載せている発売額の例(東京駅から、大人 1 名片道、2025年2月1日現在)は次のとおりです。
| 東京駅から | 通常の特急券 | トク割 |
|---|---|---|
| 熱海 | 1,580円 | 1,020円 |
| 伊豆長岡・修善寺 | 1,780円 | 1,150円 |
| 河津・伊豆急下田 | 2,380円 | 1,540円 |
横浜駅からの金額と、2026年3月14日の運賃改定後の金額は、えきねっとで実際の列車を指定して確かめます。
3. サフィール踊り子:全車グリーンの観光特急
サフィール踊り子は 2020年3月14日に走り始めた列車で、車両は E261系、デザインは奥山清行氏です。名前はフランス語でサファイアを意味し、伊豆の海と空の青を表しています。
座席は 3 種類
- プレミアムグリーン(1 号車): 1+1 列の座席で、天窓から光が入ります。回転レバーで席の向きを変えられ、肘掛けにテーブル、コンセント、荷物スペースがあります。
- グリーン個室(2・3 号車): 1〜4 名用と 1〜6 名用の 2 種類。カフェをイメージした個室で、えきねっとでは買えず、みどりの窓口か指定席券売機で買います。
- グリーン車(5〜8 号車): 2+1 列の座席で、ガラス製の荷棚を通して天窓の光が入ります。コンセント、背面テーブル、ドリンクホルダー付きです。
5 号車に車いす対応の席とトイレがあり、無料の Wi-Fi が使えます。

運転日と時刻
東京〜伊豆急下田の 1 号・2 号は毎日運転です。ほかに 3 号(月・木・金曜)、4 号(月・木・金・土・日曜と祝日)、新宿発の 5 号(土・日曜と祝日)が臨時で走ります。1 号は東京 11:00 発、横浜 11:24 発、熱海 12:19 発、伊豆急下田 13:29 着です(2026年3月14日現在)。
料金の目安
通常期の大人 1 名の運賃と料金の合計は、東京〜伊豆急下田がグリーン車 10,540円、プレミアムグリーン 12,940円です。グリーン個室は部屋単位の料金で、横浜〜伊豆急下田を 4 名用個室に 4 名で乗ると 1 人あたり 9,250円、6 名用個室に 6 名で乗っても 1 人あたり 9,250円が目安として示されています。特急料金はシーズンで変わり、最繁忙期は 1 人 400円増し、繁忙期は 200円増し、閑散期は 200円引きです。プレミアムグリーンとグリーン車は 2025年4月1日から、受け取り不要の「在来線チケットレス特急券」で買えます。
カフェテリア
4 号車はオープンキッチンのカフェテリアです。メニューは監修するシェフが替わることがあり、2026年9月30日までは中国料理「美虎」の五十嵐美幸氏監修で、エビワンタン麺 1,900円、汁なし担々麺 2,100円、角煮カレー 2,800円などです。2026年10月1日からはフレンチレストラン「エルルカン・ビス」の伊東淳一氏監修の洋食メニューに替わります。メインメニューは提供数に限りがあり、専用サイト「サフィールPay」で事前に予約します。プレミアムグリーンとグリーン車の人はカフェテリアで食べ、グリーン個室の人は個室へ届けてもらう形です。
4. どちらを選ぶか
- 伊豆に着くことが目的なら踊り子です。本数が多く、トク割で特急料金を抑えられます。
- 列車に乗る時間を旅の一部にしたいならサフィール踊り子です。毎日 1 往復しかないので、伊豆の宿を決めるより先に座席を押さえます。
- 4〜6 人で行くなら、サフィール踊り子のグリーン個室が 1 人 9,250円(横浜〜伊豆急下田の目安)で、プレミアムグリーンより安く済みます。個室はえきねっとで買えないので、駅の窓口か指定席券売機へ行きます。
- 修善寺方面へ行くなら踊り子だけです。
編集部の考え
花博の帰りに伊豆へ足を伸ばす人には、横浜駅から乗れることをまず知ってほしいと思います。東京駅まで戻る必要はありません。踊り子とサフィール踊り子の差は、料金の差というより「移動を短くしたいか、移動を楽しみたいか」の差だと思います。サフィール踊り子は 1 日 1 往復なので、花博と伊豆の日程を組むときは、この列車の座席が取れた日に合わせて宿を決めるのが楽です。個室の 1 人あたりの金額はグリーン車と大差ないので、人数がそろうなら個室を先に見るのがよいと思います。
